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20250317
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20170205

ほくろオシュ

「オシュトル、首筋にもほくろがあるって知ってたか?」
「そうなのか。いや、気付かなかったな」 
(自分だけが知ってた訳だな)
「己にも、己の事はわからぬものだな」
「自分が知っててお前が知らない事は、意外とあると思うぞ」
「そうかもしれぬな」
(首筋が弱い事とかな)
「…ああ…だからハク殿はいつも…」
「?」
「いや、何でもない」
「そういえば昔、ミカヅチもそのような事を言っていたな」
「?!」
(自分だけが気付いてた訳じゃなかったのかっ…!)
「ハク殿?」
(い、いや、一緒に風呂に入ったりしたら気付くしな!)
(首筋くらい見る機会はいくらでも…)
「…ハク?」
(ミカヅチとは昔からの付き合いな訳だし、知らない…訳はない…)ブツブツ…

「…そのような心配、杞憂なのだがな…」
(某が知っているのならば、それで良いか)

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ミカヅチ…オシュトルの首筋にほくろがある事知ってたか?」
「ああ」
(…やっぱりか…)
「あれだけ奴の近くにいて、今まで気付いていなかったのか」
「ぬぐ…。しかしだな、あれだけガッチリ着込んでたらわかる筈ないだろ。
髪に隠れて見えんしな」
「観察眼が足りんのだ、貴様は」
(ぐぬ…本当の事だから言い返せん…)
「奴の事で自分が知らぬ事などない…などと自惚れている訳ではあるまい?」
「…当たり前だ。人が人を本当に理解する事など出来る筈がない。ただ…」
「ただ?」
「…何でもない」
「この位の事で嫉妬するなぞ、餓鬼だな」
「ほっとけ!」

(貴様が知っていて俺が知らない奴の事など、今や数えられん程あるだろうにな…)


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